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残痕 ※

司馬諸前提の師孔です。濡れ場あります。暗い話ですので苦手な方は緊急回避してください。司馬懿さんと孔明はデキてて、息子ズも合わせて一緒に住んでますが、「しばけ」じゃないです(←大事なところです)




空から光の消えた朔の晩。深更の闇は冷たく身体に纏わりつく。司馬師は、小さな手燭を唯一の灯りに邸内のある部屋の前までやってきた。息を殺して扉に身を寄せる。部屋に灯りは無い。しかし、扉一枚挟んだ先で何が行われているか、司馬師は知っていた。もう幾度も耳にした、静寂の中にかすかに聞こえる、堪えるような細い声。

「あ…!あぁ…っ!」

幾度、幾夜この声を聞いてきたことか。そして幾年、この声に憧れてきたか。
この部屋の前で息を潜めるようになって、常はこれだけで踵を返していた。この声を聞いて、自らを慰めればそれで満足していた、しかし。
司馬師は己が手の震えを感じた。これからしようとする、大変な裏切りを、知らずの内に恐れているのだろうか。そう思うと妙に滑稽に感じた。この想いは止められないのに、何故今更震えることがあるのかと。
司馬師はこの夜、扉に手をかけた。



《残痕》



扉を開けるとそこは真の闇が広がっていた。しかしその中、奥で息を呑む気配が肌で感じられた。
唯一の扉を閉めれば、司馬師の持つ手燭のみがその場を照らした。しかしこの手燭とて手持ち故に明るくできる範囲は、たかが知れている。
「……だ、誰ですか?」
怯えを含んだ小さな声が暗闇を裂いた。さらに、僅かながら聞こえる衣擦れの音に、司馬師は己が唇が弧を描くのを抑えられなかった。
「私ですよ、孔明」
手燭で顔を照らし、部屋の奥へと歩を進める。頬がじりじりと熱を感じるのは手燭のせいではないはずだ。きっと、これから起こることへの、恐れと、期待のせいだろう。
「師…でしたか。こんな夜更けに、どうしたんですか?急ぎでないなら、明日の朝にしてくれませんか?」
つれない孔明のその態度。まだ自分のしていたことがバレていないつもりでいるのだろう。
ゆるりと、一歩を踏み出す。
「今、何をしていました?」
咎めるような物言いをしてみれば纏わりつく空気が、一瞬で固くなった。思った通り、我が意のままの状況に口元が歪むのが止められない。
司馬師はずかずかと勢いよく孔明の横たわる寝台へと歩を進めた。
「!い、いけませんっ!それ以上、此方に来ては…!」
「ほう…?何故いけないのですか?それは――――、」
寝台に乗り上げ、逃げようとする身体を捕まえる。そしてこの部屋唯一の灯りを、孔明に纏わりつく白布へと導いた。強い橙色の熱が影を作り、白布の縫い取る脚の曲線をより艶めかしく魅せている。しかし、今は邪魔でしかない。
司馬師はそれを容赦なく捲りあげた。
「それは一人でこんな、はしたない事をしていたからですか?」
布を取ると独特の熱気が辺りに広まった。手燭に照らし出される孔明の開かれた白い脚。きめ細やかな肌の終点では白蜜の滴る花芯が天を仰いでいた。
灯火は小さく、顔は闇に隠れ表情は見えないが、恥辱で色付いているであろうことは容易にわかる。考えれば心のうちがざわめいて仕様ない。
「父上と致すだけでは、足りないのでしょう?」
灯りを、開脚された股に近づける。花芯だけでなく、雄を受け入れる秘所もじっくりとねめまわす。肉の狭間で頑なに閉じる赤い蕾。この蕾は、父以外を受け入れたことはあるのだろうか。
「……見ないで、ください…」
「何故です?貴方はここに、熱い猛りがねじ込まれるのを望んでいるのでしょう?」
そう言って舌を秘所へ這わせれば、息を飲むように孔明の喉が鳴った。唾液を舌に載せ、溶かすように媚肉へとすり込んでいく。長年父に仕込まれてきたせいか、固かったはずの蕾もすぐに綻びを見せてきた。しかし、孔明の嫌がる素振りは変わらない。
「やめ、なさい、師…!こんな、こんなこと…」
今にも泣き出しそうな孔明の声。その声が、この心をざわつかせるのだということに、孔明は気付いていないようだ。
孔明の狭間を照らしていた灯火で、寝台の灯りに火を灯す。橙色の纏わりつくような光の内に、あられもない孔明の姿がさらけ出された。此方の顔も見えるようになったのだろう、その顔は、形の良い眉を歪ませ、怯えの色を滲ませていた。
上にのしかかり、互いの息のかかるほど顔を近づける。目尻には既にうっすらと珠の雫が見てとれた。
そっと左手で滑らかな頬に触れると、腕の中の肢体がびくりと震えた。
「孔明…、私は、貴方が好きです」
吐息と共に、ずっと胸に秘めていた言葉を告げる。孔明の瞳は、怯えから驚きへとその色味を変えていた。頬を撫でる手をずらし、親指で艶やかな唇に触れる。決して、触れることの叶わなかったその唇。すると、ふいにその柔らかな唇が震えた。
「私のことが、好きだというのなら…、どうしてこんなことをするのですか?」
潤む瞳がやめてくれと訴えかけてくる。ほろり、と遂に涙が一筋頬を伝った。泣き顔も、ひどく綺麗だ。
司馬師は涙の元に口付けを送った。
「孔明、貴方にはわからないでしょう。決して叶うことのない想いを、胸に秘め続ける苦しさが。」
貴方が、父に連れられ、我が家に住み始めてからというもの。最初は煙たくも思いました、しかし貴方と共に過ごすようになって、私は今まで感じたことのないぬくもりを受けるようになりました。貴方からぬくもりを与えられ、そのうちに貴方を愛しいと、貴方に恋焦がれるようになりました。しかし貴方は初めから父上のものだった、私はこの気持ちを告げることもできずに胸にしまい込むしかなかった。
「しかし最近、貴方が、一人寝をしている時に自らを慰めていると気付いてしまったのです。」
私は怒りの気持ちでいっぱいになりました。私は、こんなにも孔明に恋い焦がれ、苦しんでいるのに、唯一孔明に愛を注いでやれる父上が、その孔明を寂しがらせているなんて、私には耐えられなかった。
するりと左手を首筋から肩へと滑らすれば、油断していた孔明から高い声が上がった。
「孔明…、愛しています」
揺れる灯火の下、司馬師の熱烈な告白に対する孔明の視線は冷たい。
「師…、貴方のその気持ちは独善的なものです…。気持ちが繋がらないのなら、身体だけなんて…」
「何とでも言ってください。貴方は決して、父上から離れることは無い。ならば、どう転んでも私と貴方が気持ちの上でも繋がることは無いのです。貴方は身体が寂しい、私は貴方を愛したい、具合がいいじゃないですか」
司馬師の右手が、孔明の中心を握り込んだ。
「ッあ…!嫌っ、嫌!」
「声が出てしまうのが嫌ですか?それなら塞いでいてあげますよ」
自らの薄い唇を、柔らかな唇に触れる直前で止めて、まじないをかけていく。
孔明、貴方は絶対に私の舌を噛めない、何故なら貴方は私を家族として愛してしまっているからです。
孔明の瞳を見れば分かる。怯えに紛れて、しかしその奥には捨てきれぬ愛情が隠れている。
これはまじないではなくて確信。
そう囁いて口付ければ、孔明の歯は司馬師の舌を傷つけることはなかった。舌と舌を絡め、吸い上げる。鼻から抜けるくぐもった声が、この密事をさらに秘密めいたものにしている気がして、ぞくぞくとしたものが身の内を走り抜けた。
左手を滑らかな肌に這わせながら、右手で花芯から蜜を絞る。溢れる蜜がしとどに手を潤すと、先に舌で濡らした後孔へと指を滑り込ませた。驚くほどに熱い、孔明のナカ。入り口は拒むように固かったはずが、一度溶ければねだるように指に絡みついてきた。ねだられるままに、指を増やして奥までくわえ込ませてやる。
「ン、んふ…!ン、ンンぅ…!」
指先に当たるしこった部分を丹念に擦りあげれば、腕の中の孔明が震えた。逃げようとくねらせる身を押さえつけ、丹念に内をほぐしていく。柔らかな、孔明のナカ。ここで繋がれる夜を、幾度夢見てきたことか。
存分に慣らしたところで指を引き抜き、張り詰めた自身を蕾にあてがった。
「っは、…やっ、ああぁあ…っ!」
「孔明…っ!」
貫く瞬間、唇を解放すると汗光る白い喉からあられもない声が発せられた。一息に根元まで食らわせるよう腰を進める。恋い焦がれた孔明のナカは、熱い、底なし沼のように司馬師の自身を包み込んだ。やっと、孔明と一つに繋がった。じんわりと胸が温かな感動で満たされる。しかし同時に、襲い来るあまりの快楽に、すぐさま腰を使いたくなる衝動を必死に押し殺す。
「くっ…、はぁ、孔明…」
「ぅ…、っ、お、願いですから、抜いて…」
はらはらと涙を零す孔明を見ていると、胸が締め付けられる。
「……何故、泣くのですか。私を、父上だと思えばいい…、」
「できません…、あなたは、あなた。仲達じゃありません…」
涙に濡れた琥珀色の眼が真っすぐに司馬師を射抜いた。
思えば、孔明に惹かれるようになったのは、この意志の強い瞳のせいかもしれない。
「だからお願いです、抜い…っああぁんっ!」
ずぷり、と腰を打ちつける。
そうだ、その瞳が自分を惹き込んで離さない。意志の強いその眼が、唯一父に見せる柔らかな光。それを、自分も正面から感じたかった。しかし自分に向けられる光は父に見せるものと微かに違っていた。その瞳を、自分に向けてほしかった。
一度腰を動かし始めればもう止められない、泥沼の悦楽。
「嫌っ…、あぁ、嫌、嫌ァ…!」
「愛してる…、愛してる、孔明…!」
腕の中で震える白い肢体を撫でさする。しっとりと汗ばんだ肌が手に吸い付く。上から下へ、背骨を辿るように手を下ろしていくと柔らかな双丘が現れた。狭間に指を沿わせれば、自らと孔明の結合部に触れた。熱い、熱い交点。自身と孔明は、間違いなく焼けるような熱を持って繋がっている。
司馬師は、敷き布に爪を立てていた孔明の手に触れると、それを自らの肩に縋りつかせた。痛みに耐えるように、この肩にその爪が立てられることを期待して。
腰を引き、弱い所を突き上げる。繰り返して腰を送り込めば、孔明の喉からは哀切な喘ぎが漏れた。
「あぁ…ぁっ!師…っ、もう、…やっ、はぁあ…っ!」
「はぁ、孔明、」
「んぅ。ンンっ、ンっ」
濡れた唇に再び口付ける。味わうように角度を変え、深く、舌を合わせていく。溢れる唾液を、孔明の白い喉が音を発てて飲み込む様は、この心の内を満たしていく。唇を離せば、とろりとした銀の糸が二人を結んだ。
「はぁああっ、んっ、あぁ…っ!だめっ、イッちゃう、…イッ…っ!」
「孔明、ナカに…っ!」
「いやっ、師…!いやぁ…っ!あぁああっ!」
腹に温かい感触を感じた時、絡みつく熱に耐えきれず、司馬師も孔明のナカで極みを迎えた。
「孔明…、」
恍惚の瞬間、想いを遂げた証を胎内に注ぎ込み、気の絶えてしまった孔明に、司馬師は触れるだけの口付けを送った。この唇に触れられる日は、もう二度と来ないのだろうと感じながら。






翌朝、なかなか起きてこない孔明に業を煮やした司馬懿が、孔明の室を訪れた。
「まったく貴様は、いつまで寝ているつもり、だ…」
室に足を踏み入れて、司馬懿は普段とはどこか違う異様な空気を感じ取った。
不審を感じながら寝台を見やればうつ伏せるように孔明が横になっていた。ほっとしながら寝台の端に腰かけ、「もう昼になるから起きろ」と肩を揺すると、のろのろと孔明が此方を振り向いてきた。
「仲、達…?」
「やっと起きたか。貴様は、どれだけ寝れば気が済むんだ」
次の瞬間、孔明が抱きついてきた。
「どうした、急に」
「――抱いて、ください」
常なら言わないような孔明の言葉に司馬懿が戸惑っていると、孔明が口付けをしてきた。
それでも司馬懿が戸惑っていると「貴方が動いてくれないのなら、私が動きます」と、孔明は司馬懿の合わせに手をかけると、自らの唇をその中心へと埋めようとした。
「待て、孔明!いきなりどうした?…何かあったのか?」
脈絡の無さすぎる行動を不信に感じた司馬懿は、肩を掴んでその身を引き起こした。急にこんなことをするなんて、何かがあったとしか思えない。
しかし。
「……お願いです、何も聞かずに、抱いてください。仲達――」
何があったのか頑なに答えようとしない孔明。司馬懿は「馬鹿めが」と一言呟くと、その細い身体を抱き寄せた。




司馬師は、扉の外からその様子をじっと聞いていた。
きっと、孔明は昨日までのような眼で自分を見ることはもう無いだろう。温かな視線を感じられることは二度と無いだろう。
そう思いながら、己の肩にできた真新しい傷を撫でると、司馬師はその場を離れた。




《終》





弟に続き兄までもこんな話ができてしまいましたゲフンゲフン。弟と兄の違いは衝動的な犯行か計画的な犯行はですね←
無理やりな師でしたが、書いてたら当初の予定よりも結構優しくなっちゃってるんですよね実は。最初は結合部をライトアップして「よく見えますよ」的なことを言わせようかと(ry
ネタとして、最近司馬懿さんがあんまり構ってくれないもんだから一人で致していた孔明に気付いた師が計画的犯行を実行するってことでしたが、要は司馬懿さんがもっと、腰が立たなくなるくらい孔明と致していたらこんな事件は起きなかったということです!← 枯れてる場合じゃないですよパパ(笑)!しかし、司馬懿さん的には十分に致していたんだけど、司馬懿さんよりも孔明の方が性欲が強かった、というパターンもありまして非常に捨てがたいのですが、やはりここはパパが枯れてきたに一票…。
しかし息子ズ二人とも暗い話をやってしまうと、そのうちちゃんとイイ思いをさせてあげなきゃという気持ちになりますね。
……いざあとがきにくると折角書こうと思ってたことを書き忘れることが多々なのですが、今回は枯れたパパの話題を忘れなかったので、大丈夫でしょう。


こんな端っこの方まで読んでくださってありがとうございました!

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