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初めての恋が終わるとき ※

司馬諸前提昭孔。濡れ場あり。設定が不明。とりあえず昭くんはパパの恋人の孔明さんのことが大好きだったようです。そして孔明は昭くんをパパと勘違いしてるようです。珍しく暗い話ですよ。







「はじめまして。私は、諸葛孔明と申します。孔明と呼んでください」


父と同じくらいの身長のその人は、わざわざ屈んで、俺に目線を合わせてそう告げてきた。子ども心に、肌が月みたいに白くて、刷りたての墨みたいに髪が黒いと思った。俺が名前を言うと、楽しそうに桃色の唇が名前を呼んでくれた。名前を呼ばれて、なぜだか少し恥ずかしかったけど、とても嬉しかった。その時、ふわりと風が吹いて、甘い香りが鼻に届いた。思えば、初めて会った時から孔明に惹かれていたのだ。それが恋だと気付いたのは、初めて出会ってからどれくらい経ってからだったろうか。一時期、将来もずっと孔明と一緒にいたいと本気で考えた時もあった。そして、いつだっただろう。孔明が、初めて俺に会ったあの日から、父と既に心通わせていたと知ったのは。この想いが通じる日は来ないのだと分かりながらも、それでも孔明を慕い続けたのは、いつからだっただろう。



《初めての恋が終わるとき》



闇夜がそこだけ切り取られてしまったように、黒い世界には白い満月だけが冴え冴えと輝いていた。書を読むでも寝るでもなく、司馬昭は皓々と光を放つ遠い存在を漫然と眺めていた。月を見ていると、いつの日からか慕うあの人を見ているような気がする。手を伸ばしても決して近付くことはできないあの人。あの人はまるで月のようだ。しかし今日のように月の大きな満月の日は、手を伸ばせばあの人に届くのではないかと変な錯覚をしてしまう。
「寝ているのかと思えば、何をしているのだ?昭」
突然の声に振り向くと怪訝そうに表情を歪めた兄と目が合った。お前はまたぼやっとしていたのかと叱責され、とりあえず笑ってごまかす。
「暇ならばちょうどいい、手伝え」
「?こんな夜更けに、何を手伝うんです?」
「いいから来い。来ればわかる」
そう言う兄に有無を言わさず連れて行かれたのは父と孔明が酒を酌み交わしていた部屋だった。確か、夜のまだまだ始まった頃、父と孔明が二人で酒飲みを始めたのをうっすらと記憶している。しかしその部屋は何とも凄惨なことになっていた。

「あっちゃ~‥。二人とも見事に酔いつぶれちゃってますねぇ」

部屋の中では、父と孔明、二人仲良く床に身を投げ出して大なり小なり寝息をたてていた。しかし折り重なるように孔明が父の上に乗っている所を見ると、酔いつぶれたというよりは寝入ったという方がしっくりくるような気がした。
「通りがかったついでに覗いてみたらこの有り様だ。わかったら部屋に運ぶのを手伝え」
不機嫌そうにそう告げるや、兄は起こさないように優しく孔明を避けると、父の身体を自らの肩で押し上げるようにして立たせた。
「孔明も、父上の部屋でイイかな?」
「馬鹿め。酔っ払い二人を同じ寝台に載せて、二人で転がり落ちられたら困るだろう。」
孔明は客間にでも寝かせてやれ。と、兄は父を支えてさっさと部屋から出て行ってしまった。酒器だけが雑然と散らかる室内に二人だけ残される。ちらり、と小さな寝息を立てる孔明を見遣る。いつもは雪のように白い頬が、今日ばかりは酒のせいでほのかに杏色に染まっている。つい、出来心で頬に指を伸ばしてみると、予想よりも柔らかい、ぷるんとした弾力が皮膚を伝わってきて思わずどきりとしてしまった。そうだ、こんないたずらをしている場合ではない。さっさと布団でも掛けてやらないと風邪をひいてしまうかもしれない。しかし、はたと動きが止まる。いつもならこういう時、人を運ぶならおんぶをするのが常である。でも、しかし今日、いや今だけでも夢を見てみたい。優しく、起こさないように孔明の背と膝裏に腕を差し入れる。すると大した力をいれるでもなく、孔明の身体はふわりと腕の中に収まってしまった。

(うわ‥。軽‥)

孔明をこんな風に運ぶのは勿論初めてであった。腕の力だけでも難無いほどに孔明の身体は軽かった。幼い頃から憧れてきたその背を追い抜いたのはいつだっただろうか。そして今日、初めて孔明をこの腕に抱いてみて、この人の身体はこんなにも軽かったのだと実感した。ふと、腕の中の孔明が小さな声を上げ、身じろぎをした。起こしてしまったかと思ったら、孔明はすんすんと鼻を鳴らしながら甘えるように胸に顔をすり寄せてきた。
(そんなん、反則でしょ‥)
あまりの可愛らしさに心の中だけでため息をつく。きっと父に抱かれる度にこうしているのだと思うと、父がずるいと感じてしまう。すると、たどたどしく、孔明の腕が首に回された。密着度が上がって胸が高鳴る。自分の理性が崩れる去る前に、早いところ孔明を寝かしつけてやらないと、と急いで部屋を後にした。




孔明を起こさないように、慎重に歩を進め、扉を開け。そろそろと壊れ物を扱うかのように寝台に下ろした。よし、これで任務完了、と思ったのだが、孔明の腕がまだ首に絡みついていて離れない。
(父上と勘違いしてるんだろうなぁ‥)
名残惜しいが絡みつく白い腕を外そうと手をかけると、細い腕にぐっと力が入った。驚く間もなく孔明が上半身を軽く持ち上げて、舌っ足らずな口調で耳元に吐息を送り込んできた。

「ねぇ‥、シましょう?」

ぞくぞくと背に甘美な痺れが走る。いや、そんな場合ではない。どうやら孔明は自分を運んで寝台に寝かせたのを父と誤解しているようだ。
「たまには、私だって、シたい時もあるんです。」
お願い、仲達。と蜜のように甘い囁きが耳に溶け込んでくる。これは、心底困った。孔明の言は砂糖のように甘い。ここにいるのは父であると勘違いしているのだから仕方ない。普段、父に甘えているのと同じようにしているのだろう。だが、俺は父じゃない。孔明の一番好きな父ではないのだ。でも、それでも、孔明に恋い狂う気持ちは父にも負けない自信がある。だからこそ、孔明の甘い囁きが毒のようにも思える。いや、これは毒だ。甘い甘い、抗いようのない甘美な毒なのだ。
「‥貴方が動いてくれないのなら、私から動きますよ」
そう言うや孔明は顔中にキスの雨を降らせた。額や頬や、鼻の頭にも。好き、好きです、仲達、と。繰り返し愛を囁きながら、遂にちゅっと唇と唇が触れ合った。それで、もう理性なんか吹っ飛んだ。孔明の身体を縫い止めるように寝台に乗り上げ、つややかな唇を貪り食らった。柔らかくて、温かな孔明の唇。ずっとずっと、その赤い唇に触れることを夢見てきた。奥深くまで舌を滑り込ませると熱い舌が吸い付いてきた。深く、深く、角度を変えて互いに熱を追い求め続けた。ようやく孔明の唇を解放してやると、とろりと欲に濡れた琥珀色の瞳が恍惚の表情を浮かべていた。
「はぁ、‥堪んねぇ‥」
思わずため息が漏れる。そのまま次は首筋に顔をうずめた。孔明の匂いが鼻腔いっぱいに広がる。興奮するままに、半ば噛みつくように白い首を舐め上げた。
「ひ、‥ッ!ゃ、歯は、立てないで‥!」
きゅっ、と背に回されていた手に力がこもった。わかってる、歯を立てられたくないのは痛いからじゃない。イイからなんだ。良すぎておかしくなりそうだからされたくないんだ。でもそういう所こそ、逆にもっと攻めたくなってくる。
「ひゃ、ぁ、ぁぅっ‥!ぁっ、だめ‥っ!」
張りのある肌に硬い歯の感触を感じる度に、孔明は哀切な声を上げた。しかし一際声の高く上がるようになった頃を見計らって、首筋を解放する。一体どうしたのかと、欲に濡れる瞳に困惑が混ざった。ため息が出るほどにそそる、その表情。ぎゅっと痛いくらいに細い肢体を抱きしめて耳元に呟きを送り込む。だってダメなんだろう?こうされちゃ嫌なんだろう?と。もう一度軽く、汗ばむ首筋に歯を立てる。
「ゃんっ‥!ゃ、やめちゃだめ‥、それ‥、好き‥っ」
「じゃあ、ダメなんて言わないで。何してほしいか、ちゃんと言ってよ。」
どこが触ってもらいたい?言ってもらわないと、わかんねぇよ?
色付く耳に意地悪く囁く。手のひらから、孔明の背がびくびくと引きつるのを感じる。わき腹から腰にかけて、きゅっとくびれた稜線をゆるりと堪能する。皮膚が、手に吸いつくようで撫でていて心地良い。ふと、白い腕が、肌を撫で回す手を絡み取ってきた。腕はそのまま、手を胸元の赤い果実へと導く。
「‥おねがいです‥。ここ、触ってください‥」
「‥‥片っぽだけでイイの?」
こんなねだり方を知っているとは。興奮で、更に息と体温が上がっていくのを感じる。また意地悪く聞いてやると、恥ずかしそうに「両方」と甘くおねだりしてきた。
「‥あっ!んっ、ん‥、はぁ、ぁ、」
望み通り胸の飾り両方を摘まんでやると悩ましい吐息が漏れ出した。おそらく無意識だろう、尻をふりふり股間に擦りつけてきた。布越しに、勃起した陰部に孔明の秘部が孕む熱を感じる。そんなに欲しいのか。心の内に劣情が猛り狂う気配を感じる。両の乳首を捏ねまわされ、うっとりとした表情を浮かべる孔明を見下ろす。清廉そうな見た目に似合わず、随分と厭らしいことが好きなようだ。だが、そういうところをがまた堪らない。知らず湧き出ていた生唾を自分でもわかるくらい大きな音で飲み込んだ。
しかし孔明の肌を見てハッとした。少し身体を離して孔明の上半身を見る。はだけた衣はもはや肌を隠す役割は果たしていない。そこから見え隠れする滑らかな白雪の肌と、ふっくらと色づく赤い果実。だがその肌理細かな白の上には鮮やかな無数の朱華が咲き誇っていた。父が付けたものに違いない、その所有の印。孔明の特に感じる所に咲かせたのであろうその華花。その瞬間に思い出す。孔明は自分を見ているのではないという現実。目の前の孔明が見ているのは、ここにはいない父なのである。決して、自分を見ているわけではない。この喜びがまやかしであることを思い出してしまった。


「――――仲達?」


急に止まった愛撫を不思議に思ってか、甘い吐息が追い打ちをかける。父の名を呼ばれる度に、胸が抉られるような気がする。孔明が見ているのは父なのだ、決して、司馬子上ではないのだ。
「!ま、待って!仲達‥!そんないきなり‥!」
止めようとする手を容赦なく振りきり、解けかかっていた腰帯を一気に引き抜いた。ゆるりと勃ち上がってきていた花芯が露わになった。やはりここにも、父の所有の華が咲き乱れていた。無理やりに扱いて先走りの蜜を出させると、指に塗りこめ息つく間もなく秘所に滑り込ませる。熱い、熱い孔明のナカ。一体どれほどここで父を受け入れてきたのか。指を増やしても抵抗はなく、ねだるように絡みついてくる。きっと、まだ孔明はこれが父の仕業だと勘違いを続けているのだ。その証拠に、甘い喘ぎを漏らしながら快楽を訴えるその声は父の名を呼び続けている。頼むから、もう父の名は呼ばないでほしい。指を引き抜き、猛り狂った熱棒で一息に孔明を貫いた。口あけた蕾が離すまいと根元に食いついてきて、内壁も味わうようにねっとりと雄芯に絡みつく。堪らない、その悦楽――――。


「はぁ、ん、んっ。ちゅうたつ、ちゅうたつ‥!あいしてる‥」


縋るように背に回される腕。父の名なんて、今はもう聞きたくない。噛みつくような口付けで声を封じる。もう、父の名なんて呼ばせない。今、孔明を抱いているのは父ではなく司馬子上なのだから。深く深く口付けながら腰を打ちつける。逃げだそうとする腰を無理やり掴んで交わり続ける。いつの間にか孔明が達したようで、腹に温かいものがかかるのを感じ、自分も愛の証を孔明にたっぷり注ぎ込んだ。しかしそれでも孔明を手放す気は無い。嫌嫌と首を振られても逃がしはしない。追いかけて、口付けて、声を封じて、腰を振りたてる。今宵、今だけ、もう二度と触れることのできない孔明を全身全霊で愛したい。幾度絶頂に追い込み、幾度愛を注ぎ込んだことか。孔明の気が絶えるまで、精の続く限り延々と交わりを続けた。




孔明との愛欲にまみれた一夜が終わった。いや、しかし夜はまだ明けていない。すっかり気の絶えてしまった孔明の身体を、柔らかな練り絹で清めていく。次第に孔明が、普段の清廉な面影を取り戻してきたように見える。清め終わったらおろしたての新しい寝衣を着せてやった。そして、今宵この部屋に連れてきたのと同じように孔明を連れ出す。目指す先は父の寝所である。やはりこの人は、父の隣が一番なのだろうと思いながら。気が付いたら頬に、一筋の雫が滴っていた。




《終》




初、昭孔はまさかの暗~いお話でした。やっちまいましたよ(震)。書いていて途中一回、昭の喋り方がわかんなくなりました←殴
しかしまた設定が不明でスイマセン。多分、太子の国で司馬諸がデキたんだな、と思っていただければよろしいかと…。九割九分今後太子の国に息子ズも出てきそうなんで(司馬懿を慕って司馬師と司馬昭がやってきました)
しかしこんな話を書いておきながら普通に司馬諸+師と昭の親子ネタも好きなんですよね←
孔明はどうして昭とパパを間違い続けてるって匂いが一緒だったからです。親子ですからね(笑)!あと、酔ってたましたしね!

それと、題名がアレですが、某ボカロの曲とは一切関係ありませんよ。あの曲は瑜諸だと思ってます←

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