忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

しばけの授業参観

サム様宅の「しばけ」設定でのお話です。短編です。司馬諸+息子二人(子ども)の親子です。司馬懿さんはもうお城に出仕していますが、孔明はまだ隠遁中の模様です。息子二人は学校に通っております。「しばけ」が気になった方はぜひリンクで飛びましょう!





「父上ー!孔明ー!授業参観のお知らせだってー!」

学校から帰ってくるなり意気揚々に昭が二人に告げてきた。それを聞くと孔明は柔らかく頬笑みながら「それは楽しそうですね。お茶を淹れてあげますから、手を洗ってきなさい」と言って席を立った。「はーい!」と元気良く返事をしたものの、孔明が台所へ向かったのを確認すると、昭はこそっと司馬懿に耳打ちした。


「父上だけ、明日こっそり学校に来てほしいって関羽先生が言ってました」


関羽先生が、と聞いて司馬懿は妙だと思った。息子の担任は少し前に周瑜とかいういけすかない男に代わったはずで、確か関羽先生は今は荊州に赴任先が変わったと聞いていたが…。それに孔明ではなく自分だけを指定してきたのも何か妙だ。
しかしどういうことなのか昭に問いただそうにも、もう手洗いに向かってしまったのか周りにその影は見えない。わざわざ秘密裏に話してきたことだから、孔明のいる前で聞くのも不味いだろう。何はともあれ明日学校へ行ってみるのが賢明だな、と司馬懿はとりあえず孔明の淹れてきたお茶を楽しむことにした。




翌。孔明に悟られないように司馬懿は師と昭の通う学校へと向かった。通された部屋で待っているとなるほど確かに関羽先生が現れた。眉を寄せ、どこか苦悩に満ちている。

「お忙しいところ申し訳ござらぬ。実は、此度の授業参観について司馬懿殿にぜひとも申し上げたき儀があり、御足労願った次第にござる。」

此度の授業参観、ぜひとも母御前ではなく父君に御観覧いただきたいというのが職員の希望でござる。

「……どういうことでしょうか?孔明に、授業参観に来るなということですかな?」

目の前で髯を扱くこの男に腹が立ってきた。この男は、どういうわけで孔明に授業参観に来るなと難癖付ける気なんだ。昨日昭から授業参観の話を聞いた孔明は、師と昭の学校での生活をこの目で見られるのをそれはそれは楽しみにしていたというのに。
明らかに不機嫌になった司馬懿に、関羽は赤ら顔を困らせ言いにくそうに事情を説明した。
「実は、以前にも御母堂が少しだけ授業を観覧したことがあったらしいのですが…、」

その際、担任教師と、同じく観覧に来ていた別の保護者が御母堂のことで、その、少し揉めたらしいのでござる。その後も幾度かそんなことがあり、他の保護者から少々厳しいお言葉をいただくようになりまして。と関羽は言う。

そういえばここの所、孔明がちょっと学校に行った日は必ずといっていいほど複数名の男の臭いを付けて帰ってくると思っていたらそういうことだったのか…。
「もし授業参観の日、御母堂が御観覧という時はこのように拙者が荊州からその時だけ授業をしに戻るということになるのでござるが…」
「いや、その心配には及びません。授業参観は孔明ではなく私が参ります。手厚い御配慮、痛み入ります」
事情を聞いたらつい先ほどまで息巻いていたのが恥ずかしくなってきた。とにかくこれは何としても孔明の授業参観観覧を阻止しなくてはなるまい。あれだけ楽しみにしていたのだから、真正面から「行くな」と言えば天邪鬼に「絶対行く」と言ってきかなくなるだろう(如何せん孔明には少々そんな側面がある)。参観日まであまり日は無い。さてどうするか、と司馬懿は学校からの帰路、頭を悩ませることとなった。




参観日前日、夜。二人は寝台に腰かけて就寝前のしばしの閑談をしていた。

「明日は授業参観ですね。仲達も観に行きませんか?」
ちょうどお休みだったでしょう?と聞いてくる孔明の表情はことさらに楽しそうだ。しかし、明日孔明を授業参観に行かせるわけにはいかない。これは学校のためでもあるが、引いては孔明自身の身の安全のためでもあるのだ。


「――――孔明」

「はい?……ンンっ?!」


呼びかけて振り向いた所で唇を奪う。逃げようとするのを許さず、首の後ろに手を回して深く深く口付けを交わしながら押し倒す。
「はぁ…っ!な、何をするんですか?」
「何とは、わかってるくせに聞くのは野暮だぞ」
「あ、明日は授業参観だって言ったじゃないですか!?」
「…………そろそろ三人目が欲しいと思っていたんだ」
「…は?ば、馬鹿言わないでくださいっ!しかも何で今…んっ、ダメ…っ!」
「そろそろ黙らんと、優しくしてやらんぞ?」
「ぁ、嫌。嫌、仲達――――」




さらに翌。授業参観当日。

この日のために周瑜はできる限りの準備をしてきた。髪先を揃え、トリートメントをし、風呂上がりのパックも完璧だ。衣装もこの日のために新調して、胸には薔薇も差してきた。今日の私の姿を見れば、孔明殿もきっと私に惚れ直すだろうと意気揚々教室の扉を開けた。
しかし教室に孔明の姿は見えなかった。教室の後ろにずらりと並ぶ保護者の顔を端から端まで眺め渡す。三往復ほど見ても孔明の姿は見えなかった。「周瑜せんせー、はやくー」という生徒の声で我に返った。

(ああ、愛しい孔明殿…。どうして今日は私に会いに来てくれなかったんだ…)

仕方なしに周瑜は涙ながらに教科書を手に取った。




そんな様を教室の後ろから腕を組み眺める保護者が一人。司馬懿である。左の頬にうっすらと赤い手型が付いているのは今朝がた、怒りの孔明によって平手打ちをくらったためである。孔明に授業参観させないためには歩けないようにするのが手っ取り早いという結論に達した司馬懿は、夕べ「もう寝かせて」と言う孔明を許さず交わりを繰り返した。結果、司馬懿のもくろみ通り孔明の腰は見事に立たなくなった。が、「これじゃ授業参観に行けないじゃないですか!仲達の馬鹿!!」と全力で平手打ちを食らうはめになった。そして「立てない理由を子どもたちに聞かれたらどうすればいいんですか」と今にも泣きそうな孔明を宥めてこうして授業参観にやってきたのだ。流石に、少し可哀相なことをしたかもしれないと思った。
ひとまず、何よりも、帰った時にしっかり孔明に息子たちの話ができるよう、司馬懿は息子たちの雄姿をその目に焼き付けることにした。二人の息子の成長の様を聞いて嬉しそうに微笑むであろう孔明の様子が今にも目に浮かんだ。



《終》




サム様宅の「しばけ」設定をお借りしてこんな小話を作ってしまいました・・・(震)
スカイプで景気よくしばけ使用許可をいただき、息子二人が大きくなってからのしばけのお話でも妄想しようとしたら何故か授業参観になってしまいましたコレが(激震)
しかも少~しだけ濡れ場とかね!他人様ん家の設定で何かましてるんだって感じですね←殴殴殴
しかし、丈、この設定大好きなんです…!ええ、それはそれはもう…!ですので使用許可をいただいた時のは本当嬉しく…、怒られなかったらぜひまた書かせていただきたいです、ハイ。

こんな端っこまで読んでくださってありがとうございました!

拍手

PR

Comment

お名前
タイトル
E-MAIL
URL
コメント
パスワード

Trackback

この記事にトラックバックする:

Copyright © ステルススクラップ : All rights reserved

「ステルススクラップ」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]