《第２回・もうすぐバレンタインですよ》


『孔明へ。チョコ下さい。攻め一同より』


策士「………いきなり召集されたと思ったら、何ですかこの紙切れは」
無双「見た通り、バレンタインの催促でしょう」
策士「ふん、馬鹿馬鹿しい。まさか今回はこんなことのためにわざわざ呼ばれたというのですかな」
無双「まァ、そうじゃないですかね」
策士「ますます以てくだらない」
石兵「策士殿はバレンタインは嫌いなのですか？」
策士「好きとか嫌いとかの問題ではありません」
石兵「う、うーん、そうなんですか。私は結構好きな行事ですが‥」
天華「ほう、石兵もバレンタインは好きなのか」
石兵「はい。あ、ということは天華殿も？」
天華「無論だ」
石兵「わー、まさか天華殿もバレンタイン好きなんて意外です！」
天華「意外とは何だ！私はちゃんと毎年しっかり、魏延に手作りチョコを贈っているんだぞ！‥甘さ控え目に作ると、美味いと言ってあっという間に全部たいらげてしまうんだ。今年はどうにかチョコに酒を混ぜてみようと思うのだが‥‥‥」
無双（‥‥ノロケですかね）
石兵「へー、天華殿って贈る側なんですね」
無双「石兵殿、貰う側なんですか？」
石兵「はい。私は甘い物を貰う側です」
天華「わかる気がする」
石兵「でも赤壁周瑜殿ったら毎年ハート形の手作りチョコを寄越してくるんで、ちょっと困るんです」
天華「ちょっとどころか大いに困るだろ。というか周瑜は周瑜でも、赤壁も相当ウザいな‥」
無双「石兵殿も大変ですね」
石兵「でも無双殿は今年は皆さんにチョコ配るんでしょう？そっちのが大変ですよ」
天華「は？あいつら全員にチョコやるのか無双は？」
無双「義理ですけどね」
天華「義理でも大変だろう」
無双「あげないで一日中付きまとわれる方が大変ですから、義理チョコくらい何でもありませんよ。――それに、お返しは期待できますからね」
天華「存外計算高いな」
無双「それほどでも」
天華「ふ、‥‥で、さっきから策士は何をふて腐れて黙りこくっておるのだ？」
策士「‥‥さっきも言ったでしょう。くだらない事には付き合っていられません」
石兵「でも策士殿、樊瑞殿は‥‥」
策士「どうでもよろしい」
石兵「ですが、」
天華「まァ待て石兵。アレが世にいうツンデレというやつのツンの方だ。きっと樊瑞殿の前ではデレデレになるんだぞ」
策士「天華殿。妙な考察はしないでいただきたい」
天華「ほう‥‥ならば、樊瑞殿には私がチョコをあげてやろうかな」
策士「は‥？」
天華「樊瑞殿にだけチョコ無しというのも可哀想な話ではないか。策士があげるつもりがないならば、私が代わりに作ってやろうと思ってな」
策士「なっ‥！」
天華「樊瑞殿はどんなのが好みなんだろうな。甘いのか、苦いのか。それとも魏延と同じで甘さ控え目か、」
策士「だまらっしゃい！貴方の手を借りずとも樊瑞殿には私が‥‥！」
天華「『私が』？」
策士「～～～っ！！！」
石兵「相変わらず天華殿は策士殿を素直にするのが上手ですね！」
無双（素直にというか、からかっているだけというか‥）
策士「‥‥‥‥‥‥‥‥。」


天華（さてもう一つ、イイことを思いついたぞ）

かくして今年のバレンタインは前述の座談会の通りの戦果になるわけであったが、果たして天華孔明は何を思いついたのか？詳細は来月のホワイトデーに続く