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18600打キリリク・まいまい様へ。太子の国設定。虐めた後デレます。
出揃った作物の芽に精力を与える太陽が長雨の合間に恥ずかしげに赤い顔を覗かせる、梅雨の中休み。
農民にとっては絶好の仕事日和に、城の片隅にある埃の積もった不健康そうな書庫では、ふたつの声が響いていた。
「あとは何が要るんだ?」
ひとりはうず高い書棚を登るための長い梯子段の途中から書簡を手渡す司馬懿。もうひとりは梯子の下でその書簡を貰い受ける諸葛亮。
『長雨の候』
ふたりがこの場にいるのはちょっとした諸葛亮の用事のため。
書庫から大量の書簡を運ぼうとしていた諸葛亮に偶然出会った司馬懿が自ら手伝いを買って出たというなんとも珍しいこと。(司馬懿に言わせれば「あんな量がひとりで持てるわけないだろう、馬鹿めが」である)
小さな明かりとりの窓から入る一筋の光だけがこの部屋を明るくする。
「あとは、去年の益州の出納資料がその上にあると思うのですが‥」
司馬懿はそこから梯子を二、三段登ると先ほどまで手を伸ばしていた段の一段上にあった目的の字が切れはしに書かれた書簡を掴んだ。
大分高いところまで来ていたようで司馬懿のいる梯子の途中からでは床にいる諸葛亮に手が届かない。少し考えてから司馬懿はそれを持って梯子を降りて諸葛亮の胸のあたりに押しつけるように差し出した。
「これか?」
「……はい。間違いありません」
思わず諸葛亮の顔に笑みが浮かんだ。
―――梯子の上から投げ渡してもよかったのだろうに。その方がきちんと両手で梯子を掴んで降りてこられたろうに。そう思って―――。
「ありがとうございます」
頬に刷かれた桃の華も羞じらうような微笑みに司馬懿はどきりとした。
「ふ、ふん‥用が済んだのなら行くぞ」
此方の感情の揺れを察されないよう素っ気なく背を向け、さっさと書庫から件の書簡を運ぼうとした司馬懿だったが、ふと扉の飾り窓ごしに外の異変に気付いた。
「雨が……」
「え?」
ここに来るまでは雲ひとつ空に無かったのに。
空はいつの間にか薄暗い灰色の雲に囲まれ、地は確かに、しとしとと
雨の足音を奏でていた。
書簡を雨に濡らすわけにはいかない。
特にそれが急を要するようなものでもなければ、雨に濡らし文字を滲ませ後々困る必要はない。
幸い諸葛亮の探していた書簡はそんなものだった。
「仕方ありませんから、止むまで待ちましょう」
諸葛亮の言葉にすぐに返る声。
「止むのか?」
今は長雨の候。一度降りだしたら次に止むのはいつになることか。
「まだ昼間ですから、夕刻まで待っても大丈夫でしょう」
やわらかな微笑。
「幸い、ここは書庫ですから、久しぶりに今昔の著を紐解いてみるのもいいかもしれませんね」
ふたりとも本の虫ですからね。と言外に匂わせ、ふわりとした足取りで書庫の奥のほうまでさっさと行ってしまおうとした。諸葛亮が目の前を横切った時、ふと艶やかな薫香がした気がした。
「…待て、孔明」
覚えず、司馬懿はその腕を捉えていた。
口から出た名は、公時では呼ばない閨でだけ呼ぶ名前で。
驚いた諸葛亮はそちらを見た。
瞳の黒が揺れている。
「司馬…‥」
名を呼ぼうとしたが途中で遮られた。唇に同じものが被さって音を拐ってしまった。熱い舌が口腔に忍び込んだ。
「そうではないだろう、孔明」
重なっていた唇が離れ、今度は言い聞かすように唇が耳元に寄った。
返事も待たず司馬懿の掌は諸葛亮の衣をまさぐり隠された肌をあばき出そうと動きを始めた。
「いけません、司馬懿殿」
控えめに白い手がその掌を抑えにかかった。
何をする、と眉間に少し力の入った顔で司馬懿がそちらを見遣ると困ったような白皙が此方を見ていた。
「まだ昼間です…」
窓からの明かりはもうほとんど入っていない。空には雲が満ち、書庫に明かりがほとんどなくとも今は昼の刻。昼から秘め事にはしることなど貞節な諸葛亮にはとても考えられもしないことだった。
先ほどよりも強く、雨が地に着く音がした。
「……大丈夫だ、誰も来ない」
「司馬懿殿!」
非情な司馬懿の答えにそんなことではなくて、と訴えようとしたが全て口付けで封じられてしまった。
衣を全て剥ぎ取ると薄暗い空間にそこだけ光が集約しているような白が浮かび上がった。
その類い稀なる白を見ると司馬懿は頭がくらくらと妙な感覚に襲われた気がした。
愛しいあまり掌と舌で撫で回してみる。しかしその白は固くなに愛撫を拒み、口からは拒絶の言葉をこぼし続けた。
司馬懿が胸の赤を吸おうとそこへ顔を寄せると嫌々と首を振り、手で司馬懿の頭を退けようと必死になった。
「ふん…それほどまでに嫌か?」
そう嫌々と言っみても司馬懿の加虐心を煽るだけとはまだ諸葛亮にはわからない。
嫌か、と問われた諸葛亮がうんうんと頷くのを見ると司馬懿はさても上手く堕ちたものよ、と相手を罠に填めた快感に酔った。
肉薄の唇に酷薄な笑みを浮かべると用意していた科白を吐いた。
ここを、と司馬懿の指が後庭に触れると諸葛亮は肩をびくつかせた。
「使わずに済む技を教えてやろう」
言うと司馬懿はきょとん顔を手挟むと、己の脚の間で熱を湛えるモノへと近づけた。近づくにつれ先ほどよりも激しく嫌々と諸葛亮が抵抗をはじめた。
左手が頤を掴まえると右手の指が震える赤い唇をなぞった。
「ここで、してみせよ」
さすれば下を使わずに済むぞ。と目で言葉を続ける。
「出来るだろう?」
―――出来るわけがない。諸葛亮はそう思った。口で、含むとは、考えると頬が燃えるように熱くなった。
目の前の赤黒いものから必死に目を背けようとするが口を開かされ無理矢理に口腔に押し入れてきた。
なんとか吐き出そうと舌で押し返したが逆に口のなかのモノが大きくなったような気がした。
「歯はたてるなよ」
熱のこもった声が上から浴びせられ、手が後頭部に添えられた。
「ン、ンンン…!」
口のなかが司馬懿で満ち、苦しく、閉じた眼から涙が滲んできた。
「んむ…、はぁ‥ッ!」
急に口から焼けるような熱が引き抜かれた。
「そんな下手くそではイケぬわ」
耶兪するような口ぶりで司馬懿は言った。諸葛亮が目を上げると、さも愉快そうな目が此方を見ていた。
「手本を見せてやる」
そうは言われたものの、達した反動で茫としている諸葛亮には何をするのかすぐにはわからない。気付いた時には司馬懿が脚の間に頭を寄せていた。
ハッとした諸葛亮は慌てて逃れようとしたが叶わず、自身が熱に包まれる感覚に襲われた。
「アァァっ…!」
裏筋を根元から舐め上げられ、亀頭を包むように吸われる。
「ひぁっ、ん‥っあァ」
びくびくと背を反らせ、瞳からは知らずぼろぼろと雫が溢れ、自制をなくした口からは甘い嬌声があがった。
「ぃやぁっ、しば…、アァっ!」
声は格別に甘くとも呼ぶ名は決して此方の思惑通りではなくて。腹をたてた司馬懿がくわえたものを一気に攻め立てると呆気なくそれは口内に精を放った。飲み込むことはせず、余韻に震えている顔に口付け、己の放ったものを口腔に流し込んでやった。
飲みきれなかった白濁が赤い唇から頤まで滴る様を見ると、司馬懿の身の内に新たな熱が込み上がってきた。
「今私がやったようにしてみよ、」
孔明。とことさらに字を強調してそちらを見やった。
ふるりと身体を震えさせると諸葛亮はゆっくりと唇でまた硬化してきたモノを包み込んだ。
裏を舐め上げ、尖端を優しく吸う。手は含みきれていない部分をしごく。
―――堕ちた。と司馬懿は頬に満足の笑みを刷いた。
「なかなかイイではないか」
撫でるように諸葛亮の頭に手を置くと司馬懿は言った。その言葉に応えるように諸葛亮はより快感を引き出そうと懸命に奉仕した。
するとまもなく司馬懿にも限界が訪れたようで強く諸葛亮の髪を掴み「出すぞ」と掠れた声で呟き、
その口内に精をほとばしらせた。
口腔に注ぎ込まれた苦味走った熱を諸葛亮は自然と飲み込んでいた。
上目で此方を見、口の我がモノを懸命にくわえる様は司馬懿にどうしようもない愛しさを掻き立てさせ、その感情のまま身体を引き起こすとその唇を貪った。
「そうだ、それでいい」
「ぁ、ちゅうたつ‥あっ」
今度はまた司馬懿が諸葛亮のものを舐めた。恍惚とした顔で諸葛亮はそれを受け入れている。「ちゅうたつ、ちゅうたつ」と殊更に甘い声で名を呼び達した。するとやはり司馬懿はその精液を諸葛亮自身に飲み込ませた。そしてまた諸葛亮が熱杭を口に含み、白濁を飲んだ。甘い行為は延々と雨が止むまで続いた。
月の光を頼りに諸葛亮と司馬懿は両手いっぱいの書簡と共に書庫から諸葛亮の室への道を歩んでいた。
先ほどまで雨が降っていたせいもあり地面はぬかるんでおり、足を踏み出すとずるりと嫌な感じに少し滑る。
「……仲達」
掠れ気味の声で諸葛亮は呟いた。なんだ、と返してそちらを見ると酷く不機嫌そうな顔が此方を見ていた。
「珍しく貴方の方から『手伝う』なんて言ってきたのは最初からこのためですか?」
疑いの眼差しを受け、司馬懿はフンとひとつ鼻で笑い「さぁどうだかな」と呟いた後、得意の高笑いを夜空に響かせた。
《終》
18600打まいまい様リクの司馬諸、シチュはしっかり虐めた後デレさせるとのことでしたが……なんだか不甲斐ない感じで申し訳ございませぬ(震)いぢめ方も程々だし、最終的につながらずに終わるし(ヒー)、丈のほうこそまいまい様に火計にされてもかまいません。
言い訳するとしたら諸葛さんのデレっぷりは思いきりデレさせたかと…!
まいまい様に捧げました小説、煮るなり焼くなりどうぞお好きなようになさって下さい。そしてキリ番おめでとうございました!
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